Google Cloud Next Tokyo ’23 視察レポート
Google Cloud Next Tokyo ’23
冷え込みが一層厳しくなってまいりましたが皆様元気にお過ごしでしょうか。
これくらい冷え込んでくると、いよいよ各種イベントのシーズンという感じがしますね!
来週にはラスベガスでのAWS re:Inventも控えています。
そして国内だと、先週はGoogle Cloud Next Tokyo ’23が東京ビッグサイトで行われていました。
放送業界としては裏でInterBEEというイベントもあったので、なかなかに行動スケジュールを組むのが大変ではありましたが、私はGoogle Cloud Next Tokyoに2日間、InterBEEの3日目に1日だけ参加という形でスケジュールを組みました。
今回はそのGoogle Cloud Next Tokyo ’23のレポートと、そこで感じたことについてまとめます。今後必要とされるであろう内容についても考えていきます。
現地の雰囲気
現地に到着すると巨大な看板がお出迎えしてくれます。
ビッグサイト内のホール2つを使用して行われており、セッションは多くが満席と賑わいをみせていました。
海外からの参加者も何人かお見かけしました。
展示では、様々なブースを見ることが出来たのですが、ここではGoogleロゴの4色でジャンルが仕分けられていました。
上記写真の通り、
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Modern Infrastructure
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Data
-
Security
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Google Workspace
の4つのジャンルですね。
特に今回は展示を含めて生成AIやデータ分析(DB周りの技術も含む)にかなりのウェイトが占められていた印象です。体感では半分くらいがそうだったのではないかと思います。
残りをアプリ開発関連・Google Workspace関連・Security関連で分け合っていたのかなと思います。
あとはせっかく最近資格(Professional Data Engineer)を取得したので、認定ラウンジ…も寄りたかったのですが、セッションを詰め込みすぎてあまりゆっくりする余裕がありませんでした…
感じた「トレンド」
ここからは実際に参加してみての所感を書きます。
基調講演やセッションの具体的な内容については色々な人が書いていると思うので、今回を通して私なりに感じたところをまとめていきますね。
生成AIについて
生成AIは間違いなく今回の一番のホットトピックでした。
その中でいくつかポイントを上げると
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焦点が 「チューニング」 に移っていること
- RAG, RLHFといったキーワードは何度も出てきていました
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マルチモーダルへの対応も積極的にしていけるフェーズに達したこと
- 画像等への対応もかなり容易になっています
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忘れられがちな 「安全性」へのケア が特にビジネスユースでは求められること
- 正しい・正しくないとは異なる観点で好ましくない回答を許さない必要があります
といったところが重要だと思います。
Google Cloudにおいてはテキスト、コード、セキュリティ、医療と特化型のPaLM 2をアピールしていたのも印象的でした。
データ分析について
ここでも生成AIの適用が進む可能性が高く、SQLを書けなくても自然言語ベースで分析が出来る日は近いのかなと思います。
ということで…今絶対やっておかないといけないことは、データ基盤を確実に正しく構築しておくことなのかなと思いました。
ここでいう「正しく構築」というのは、メタデータの整備といったAI側が解釈しやすくなるような基盤の構築ということです。
現段階で真っ先にちゃんとやっておくべきことはそこなのかなと思います。Looker使いならLookMLの整備などです。
開発関連について
開発においてはクラウド技術がある程度枯れてきた印象を受けました。
登場するサービスは
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Google Kubernetes Engine(GKE)
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Cloud Run
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Cloud Functions
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Google App Engine(GAE)
あたりにほぼ固定だったように思います。
この分野で革新的なサービスが出てくる見込みはしばらくないのかな、と思います。
となると、CI/CDやテスト、ログのモニタリング(SLO等の管理も)といった安定運用のための技術が求められていくことになると思います。
Cross-Cloud Interconnect についても触れられており、マルチクラウドへの意識もかなり強まっているように見えました。このあたりの技術はどのクラウドベンダでも今となっては同様に運用できますからね。
セキュリティ関連について
攻撃が変化・高度化しているのは間違いないですが、地政学的なリスクについても言及があったことが印象的でした。
データレジデンシー(DRZ)保証の日本リージョンサポートについても触れられていましたね。
セキュリティに特化したLLMである、Sec-PaLM 2についても触れられており、結局やはり生成AI漬けでした。
まとめ
今回はGoogle Cloud Next Tokyo ’23で感じたトレンドについてまとめてみました。
セッションの内容そのものも興味深い内容が多かったですが、全体を俯瞰して見直すことで、これからを見据えてやるべきこともかなりクリアになったように思います。
そういった意味でも非常に有意義な時間でした。
既に来年は8/1・8/2の2日間、パシフィコ横浜で開催されることが発表されていますので、来年はどんなトレンドを掴めるか今から楽しみです。
あれ?Google Cloud Next Tokyoなのに東京ではなく横浜…